初桜に愛舞い降りて 〜宿世の契り〜
京都、烏丸通り沿いにある護寿神社。神楽女のバイトで神社へ来た千珠は、見事に咲き誇る千年桜に見惚れた。その時、不思議な鈴の音と眩暈に襲われ、気を失ってしまう。しばらくして目が覚めたが、そこは平安時代!? 初桜に込められた宿世の契りが、千珠を平安の世へタイムスリップさせた!
主な登場人物
- ・桜川千珠(さくらがわ せんじゅ)
大学生22歳。何事にも前向きだが、行く先に不安を感じている。 - ・藤原泰成(ふじわらの やすなり)
蔵人少将(正五位下)26歳。曽祖父は元太政大臣。だが、権力には全く興味がない。真面目。
白桜邸の人々(中納言実成の第宅)
- ・小牧(こまき) : 東の対屋付き女房。順応性が高く、千珠の良き理解者。
- ・義文(よしふみ) :泰成付きの有能な従者。東の対屋を取り仕切る。
- ・藤原実成(ふじわらの さねなり): 泰成の父、中御門大路三坊白桜邸主。中納言従三位。
その他
- ・暁の上(あかつき) : 泰成の正妻。西洞院在原中納言、三の姫、24歳。
- ・源敦家(あついえ) : 泰成の悪友。近衛少将(正五位)26歳。
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※ 完結しました。(ですが、第二部へと続きます)
ご注意
『初桜に愛舞い降りて〜宿世の契り〜』はフィクションです。歴史上に存在する人物、場所、史実とは一切関係ありません。あくまで恋物語&ファンタジーとして楽しんでいただければ幸いです。
また、2011年チャリティ「うりゃま」に参加した当時、諸事情で完結できなかった『千年桜の恋』を改題、大幅加筆修正したものです。(現在、チャリティで公開していた箇所より進んでいます)
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『用語(言葉説明)』
語句
- ・紙垂(しで):注連縄や玉串についてある特殊な断ち方をして折った紙。
服装
- ・表着(うわぎ):重ねの袿で一番上に着た華美な上着。
- ・袿(うちき):小袖の上、表着の下に何枚も重ねて着る。襟や裾から覗く色を楽しむ。
- ・小袖(こそで):袿の下に着る下着。単(ひとえ)とも言うが、ここでは小袖で統一。
- ・直衣(のうし):私邸で着る衣装。中納言以上は聴(ゆるし)を得れば参内でも着用可。威厳を出したい時は、烏帽子ではなく冠をつける。
- ・冠(かんむり):本来は冠を着用し、参内する。
- ・烏帽子(えぼし):略礼である直衣や狩衣に用いたが、聴(ゆるし)を得れば院参可。
- ・狩衣(かりぎぬ):実用着。参内は不可。院参は可。通常は烏帽子をかぶる。
第宅(邸)内
造り
- ・寝殿(しんでん):主に、主人の住む主殿のこと。
- ・第宅(だいたく):貴人の邸宅のこと。
- ・主殿(しゅでん):白桜邸の中心住居。泰成の父の住居。
- ・昼御座(ひのおまし):昼にいる場所。御簾や屏風で畳の周囲を囲っている。
- ・御帳台(みちょうだい):天蓋付きベッド。(見取り図では、×とある場所)。
- ・帳(とばり):御帳台を覆う、四方に垂らす薄い布。
- ・塗籠(ぬりごめ):主殿では宝物庫。ここでは衣装や大切な品を置く、現代のクローゼット。
- ・廂(ひさし):広い部屋。御簾などで区切ると局になる。上級女房は、この局を与えらる。
- ・孫廂(まごひさし):廂の外側にある。区切って局にすることも可。
- ・広廂(ひろひさし):広々とした縁側の端。現代の応接室(庭園を眺める)にも早変わり。
- ・すのこ縁(すのこえん):広い縁側。
- ・高欄(こうらん):すのこ縁の縁につけられた装飾手すり。
- ・透渡殿(すきわたどの):主殿と各対屋をつなぐ橋廊下。主に、南側のこちらを使う。
- ・渡殿(わたどの):透渡殿の北側にある廊下。橋廊下だが、女房たちの談話場。
- ・中門廊(ちゅうもんろう):警備のいる門。
- ・車寄(くるまよせ):牛車を入れておく場所。
- ・曹司(ぞうし):私室。白桜邸に勤める役人などの部屋。名称(名)で呼ばれる。
- ・階(きざはし):階段。
- ・局(つぼね):女房の私室。廂や孫廂に部屋を賜ると、そこが局になる。
- ・妻戸(つまど):両開きの扉。
- ・壷庭(つぼにわ):建物に囲まれた庭で、樹木や草花が植えられている。
身の回りのもの
- ・燈台(とうだい):部屋に置く灯り取り。
- ・燭台(しょくだい):手で運べる蝋燭を使った灯り取り。
- ・脇息(きょうそく):手で運べる蝋燭を使った灯り取り。
- ・格子(こうし):孫廂の柱間に設ける障屏具(建具)。孫廂とすのこ縁の間にはめられる。
- ・几帳(きちょう):間仕切り移動可能カーテン。女性が身を隠すのに使われた。
- ・御簾(みす):細かく割った竹を編んだカーテン。孫廂の間、廂の間、すのこ縁の柱間に吊るし外部から見えないよう隔てる。
- ・壁代(かべしろ):御簾の手前に布製の帳を垂らし、さらに人の目につかないよう遮断する。
その他
- ・牛飼童(うしかいわらわ):牛車を引く専任。童と付いているが、子どもではない。
- ・牛車(ぎっしゃ):牛が引く車。現代の車。
- ・長女(おさめ):雑用に従事する下女。
- ・雑色(ぞうしき):雑事を務める無位の者。
※日本史資料集、貴族の生活など、参考