※ 前作『ココロの鎖、鍵を求めて』の続編
   らぶらぶえっち・あまあまストーリーに突入!

『ココロ、甘い休息』【3】

 一貴は、莉世が腰を浮かせたその隙に、素早くズボンを下ろし、莉世の腰を支えた。
「さぁ、そのまま腰を落とせ」
 ええっ?! そのまま……って、まさか!
 莉世は、激しく高鳴る鼓動を耳元で聞きながら、口をパクパクさせた。
「で、出来ないよ」
「出来るさ」
「だけどっ、わたし!」
 思わず瞼をギュッと綴じた。
 出来ないよ、そんなのシタ事ないし、それに……。
「っぁん!」
 思わず莉世はのけ反った。
 一貴が強引に腰を引き寄せたのだ。
 そして、一貴の大きく勃起したモノが、十分に潤った入り口から進入してきたのだ。
 久しぶりのその感触に、莉世は何度も躰を奮わせた。
 根元まで入ると、一貴が腰を抱きしめて呻く。
「……最高だ」
 その声が、莉世を快感へと導く。
「動いてくれ」
 莉世は、一貴の肩に爪を食い込ませる程、強く掴んだ。
「っぁ……、で、きないよ……」
「出来る」
 莉世は頭を振った。
 出来るわけない! そんなの……出来ないよ。
 一貴は莉世の腰を掴むと、上下に揺らし始めた。
「っんぁ! ……やぁん」
 一貴に揺らされるまま、莉世はのけ反った。
 やだぁ、やだぁ……何、この感覚?
 莉世の心臓は爆発するように、激しく高鳴り続けた。
 それに比例するように、思い切り一貴の肩を掴む。
「くぅっ……すご、い…この、締め付けっ!」
 一貴は苦しそうに言葉と紡ぐと、目の前で揺れる乳房の先端を口に含み、手をヒップに下ろして円を描くように愛撫を繰り返した。
 一貴が齎す快感に、莉世はどうにかなりそうだった。
「あっ、あっ……ったし、変に……!」
 いつの間にか、一貴の助けがなくとも、莉世一人でゆっくり上下に動いていた。一貴はそれを感じ取ると、もはや手助けをしないで、一身に愛撫の手を動かす。莉世は、その事に全く気付かなかった。
 
 もうすぐでイキそう……、だけど届かない……そこへ辿り着けない。
 莉世は、すすり泣きを漏らしながらがむしゃらにそれを求めた。
 ……でも、届かない!
「かず、きぃ……お、ねがいッ!」
 切なげな声に、一貴の手がヒップに伸びてきた。
「もう……降参なのか?」
 無理、ダメ……こんな状態……わたしっ、もう!
「ぁんっ! はぁ…はぁ…ぁん……っ!」
 一貴が下から激しく突き上げ、速度を早めるように揺する。
 殆ど力を使い切った莉世は、されるがまま快楽に身を委ねた。
「くぅぅ……莉世」
 一貴が顔を顰めて、玉のような汗をかいてるのも全く気付かなかった。
 自分の感覚でさえ、手に余っていたのだ。
 こんなの……初めて。 爆発しそう!
 一貴の一突きごとに、どんどん高みへと押し上げられる。
 莉世は、一貴の首に縋り付いた。
 まるで、一人だけにされそうな恐怖が襲ったからだ。
 一緒にいて、側にいて……一人にしないで。
 快感にのけ反ると、露になった首筋に、一貴の荒くて熱い息が肌を擽る。
「ぁんっ。……やぁ、あぁ、……やぁぁ!」
 莉世は、躰を思い切り引きつらせて、ビクンッと躰を2度震わせた。
 急速に駆け巡る熱い快感を爪の先まで感じると同時に、莉世の頭の中はどんどん霞んでいき……膣内(なか)で一瞬一貴のモノがビクッと脈打ったのを感じながら、莉世はそのまま倒れるように気を失った。
 
 
 腰の辺りで何かが動くのを感じ、莉世はゆっくり目を開けた。
 畳の上に横になり、一貴がちょうど帯を外し終えたところだった。
「目が覚めたようだな」
 満足気に言いながら、その目に宿る愛情を見て、莉世はそれに応えるように微笑んだ。
「……いつもと違ったの」
「そうみたいだな」
 一貴は、崩れた浴衣を脱がせ初めた。
 あっ! ……わたしったら。
 思わず呻きたくなった。
 なんという姿で、愛し合ったのだろう! 浴衣を着たまま、肌をさらけ出し……向き合って座ったまま、躰を揺すって……。
「どうした?」
 呻いたのが聞こえたようだった。
 頬を赤らめて、一貴がどう思ってるのか探ろうとしたが、何も思ってないようだった。
「ううん、……何もない」
 心地良い怠さを感じながら、全て脱がされると、一貴は莉世を抱き上げた。
「何処に行くの? お布団?」
「まさか」
 ニヤッと笑いながら一貴が向かった場所は……
 
 
「あぁ……温かい、気持ちいい」
 乳白色の部屋付き露天風呂に浸かりながら、一貴の胸に背を凭れさせて躰を伸ばした。
 一貴の腕がお腹に回り、乳房の膨らみを微かに触れては再び下がり、また上げる……といったように、愛撫を繰り返す。
 意識してないと言えば……嘘になる。でも、この気怠い感覚をいつまでも味わっていたかった。
「そういえば、こうして一貴と一緒にお風呂入るのは初めてだね」
 その愛撫を意識しながら、頬を染めて言った。
「ん? そうか? ……確か、シャワーを浴びながらシタと思うが」
「違うよ! わたしが言ってるのはそういう事じゃなくて、」
 振り向き、睨み付ける間もなく一貴は覆い被さるようにキスをした。
 とても甘く……優しいキス。
「わかってるよ。お前が何を指してるか」
 莉世は微笑むと、再び背を凭れさせ、肩の窪みに頭を乗せた。
 こうして、また一貴といられるなんて……何て幸せなんだろう。
 まだ1日も経ってないんだよ? 今朝、彰子と別れてから……一貴を失うかも知れないと思いながら大阪に向かって……そして康くんに諭されて、美味しいご飯奢ってもらって、お城に登って……携帯の事を知り……一貴が突然現れて……。
 なんだが目まぐるしく過ぎたって感じ。
 
「一貴」
 莉世はそう言いながら、幸せなため息をついた。
「何だ?」
「ごめんね……わたし、必要以上に考え込む質みたい」
 そう、一貴に関しては……今までの性格が全て吹っ飛ぶようだった。
「そうみたいだな。だが、俺は嬉しいよ。それだけ俺の事を考えてくれてるという事だろ? ただ、何か不安があれば……次からは俺に相談してくれ。何も理由がわからないまま、今回のような蚊帳の外は二度と経験したくない」
「うん、そうする」
 何度も温泉を肌にかけながら、手に入れた幸せを実感した。
「ねぇ」
「うん?」
「一瞬でも……わたしと別れようと思った?」
 愛撫していた手が、ちょうど膨らみの下で止まった。
「……そう、考えて、欲しかったのか?」
「まさか、っあ!」
 一貴の指が、乳首に優しく触れたのだ。
「お前に、好きな男が出来たと聞かされたとしても……俺は必死になってお前を手元に留めようとしただろう」
 その言葉を聞いて、莉世の胸の奥がキュンと熱くなった。
 一貴は……それほどわたしを愛してくれてるんだ。わたしを手放したくないって思ってる。
 嬉しくて嬉しくて、胸が張り裂けそうだった。
「わたしが……一貴以外の人を好きなるなんて、絶対ないよ。ずっと小さい頃から……物心ついた時から一貴しか見えなかったんだから」
 一貴は何も言わなかった。
 言わない代わりに、敏感な耳の下の窪みを舌で愛撫した……それが一貴なりの答えだった。
 莉世は、うっとりしながらも、意識は全て後ろにいる一貴に集中していた。
 臀部の辺りに、一貴のモノがあたる。
 それは意思を持ったかのように、どんどん硬くなってくるようだった。
 そう思った瞬間、一貴の手がお腹から下へと滑り秘部に触れる。
 躰がビクッと震えると同時に、湯が波立った。
「だめ……」
「駄目なものか」
 上下に撫で上げながら、膝裏に手が伸び、まるで膝を抱えあげるように引き寄せた。
 すぐさま、一貴の指がゆっくり進入してきた。
「ぁぅ……」
 思わず、足の爪先をギュッ丸めた。
「ダメ、だよ、一貴……誰かに、聞こえちゃう」
「大丈夫だよ」
 大丈夫じゃないよ! 他の部屋にだって、露天風呂があるんでしょう? あの垣根の向こうは、絶対お隣の露天風呂があるよ。
 それに、声が……
「一貴、やだぁ」
「なら、声を抑えればいい」
 抑える?! そんなの、無理だよ! 今までだって……出来た試しがないんだから。
「出来な、っんぁ」
 一貴が、敏感に膨らんだ蕾に触れた。
 ダメ、ダメ……
 莉世は、口を手で塞いで声が漏れないようにした。
 それを見た一貴が、激しく動かす。
 恥ずかしい音はしない……、でも湯が荒々しく揺れ、その音が何かシテいるのを想像させる。
 暴れてるのか、泳いでるのか……それとも。
「んんっ! ……っく、んっ、……っんんん!」
 激しい電流が、爪先から頭まで一気に駆け抜けた。
 
 快感の渦に漂うぐったりした莉世を、一貴はある場所へ横たえた。
 そこは、温泉に入りながら星が眺められるように、斜めに作られた滑らかな石のベットといったような代物だった。
 その場所へ、莉世が仰向けになるように下ろした。
 湯はちょうど腰の位置にあり、心地よい風が上半身にあたった。
「一貴、まさ、か!」
「あぁ」
 快感がまだ抜けない莉世の躰を、一貴の手が彷徨う。
「っっん!」
 一貴は肘で躰を支えながら、キスをした。
 舌を入れ、激しく絡めてくる。
 高鳴る動悸と息遣いで苦しく、莉世は呻いた。
 すると、そのまま舌で首から鎖骨へと滑り、ツンと尖った乳首を口に含んだ。
「ぁん、やぁ」
 左手は、手すりを強く掴み、右手は口を覆う。
 ダメ、声が出ちゃう。どうしよう、止められない!
 一貴の両手がウエストへ下り、そのまま大腿を撫でると、両膝を抱えて……手すりの部分に足を置いた。
 その動作に目を剥くと、一貴は覆い被さりながら莉世の膣内(なか)に挿入した。
「っくぅ……」
 一貴の口から、何とも言えない呻き声が漏れ、莉世は思わず愛おしさが込み上げてきた。
 ここが、外だという事も忘れ……両手で一貴の背を抱きしめた。
 根元まで入ると、一貴のため息が耳元にかかった。
 莉世は身震いした……激しく波打つ下半身と胸が、心情を物語ってる。
 体重をかけないように身を起こした一貴は、しっかり莉世の目を見つめた。
「莉世……俺は決してお前を離さないからな」
 一貴にも聞こえるのでは? と、いうぐらい……心臓がドキンッと大きく高鳴った。
 わたしだって、わたしだって……一貴を離さないんだから。
 一貴がゆっくり覆い被さると、甘いキスを繰り返し、そして上下に揺するように腰を打ちつけた。
 莉世の頭は、霞みがかかり……今目の前にある出来事にしか集中出来なかった。
 知らず知らず、一貴の腰に両足を巻きつけ、奥深くまで迎え入れる。
「あっ、……ぁぁっ! かず、き、っやぁ……ぁっんん!」
 思い切り一貴に抱きつき、迸る快感に身を委ねた時、一貴がその声を封じるようにキスをした。
 莉世の声は、呻き声となって一貴の口の中に全て吸収された。
 莉世は、歓喜に埋もれながらも何度も痙攣したが、一貴の背に爪の跡がくっきりつく程、しっかり掴まっていた。
 
 やっぱり、わたし……一貴以外に愛せる人なんか、いない……

2003/08/13
  

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