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『続 ・Ring of the truth　〜真実の想い〜』【８】

　あたしはこれが欲しかった。
　寛から求められてるという真実が……。
 
　口を開け、寛の舌を招き入れた。
　すぐさま寛は挿入し、あたしの舌を絡めとっては引き、そして再び挿入しては口内を愛撫する。
　その行為は、まさしくセックスを意味していた。
　下腹部の奥がキュンと痛み……熱いものが生まれてくる。
　あたしをこんなにも熱くさせる人は、寛しかいない！
　寛の頬に両手を添え、唇を離した。
 
「あぁ……彰子！　俺はお前が欲しい、今すぐに」
　激しく動悸するのを感じながら、寛も同じように感じてるのだとわかった。
　だけど、今抱かれたら……これじゃ以前と同じになってしまう！
　そんなのは、絶対イヤ。
「あたしだって、寛が欲しい。でもそれだけの関係じゃ嫌なの。あたしたちが……えっちする意味は何？」
　寛は、ぷっくり膨らんだ彰子の唇に指を這わせた。
「俺がお前だけを欲してるから……、俺がお前以外の女なんか欲しくないから……、俺が彰子を誰よりも愛してるから……、彰子は俺のモノだからだ！　……彰子、俺たちはこれからも離れ離れだ。だが別れてたこの１年の間、お互いしか想ってなかった。なら、付き合っていても想いあえるんじゃないか？　……俺は浮気はしないって誓うよ、だから彰子もしないって誓ってくれ。そして、俺の恋人に……もう一度なってくれ、頼む」
　あぁ、嬉しくて涙が出そう。
　寛は、これから先もあたしを独占したいんだ……あたしが寛を独占したいように。浮気？　そんなの出来るわけないじゃん！　寛だけにしか触れられたくないのに。
　彰子は寛の首に両手を回した。
「浮気なんてしない、出来る筈がないよ。お願い、あたしを……もう一度寛の恋人にして」
「……ありがとう、彰子。もう……二度とすれ違いなんか御免だ」
「うん」
　ここまで来て良かった。
　仲直りが目的だったのに、胸に溜まった想いを吐き出す事で、あたしは寛を取り戻したんだ。
　嬉しい……本当に嬉しいよ！
 
 
　寛に抱きすくめられ、背中を優しく撫でられた。
「彰子、お前が欲しいんだ、いいか？」
　彰子が頷くと同時に、急にふわっと無重力状態になる。いつの間にか彰子は、ベッドに座らされた。
　寛は、彰子のカットソーを脱がせると、ジーパンに手をかけた。
　彰子は、自らそれを手伝った。
　ペアのピンクレースの下着姿のまま、彰子は寛のTシャツに手を伸ばした。
　２年前に一度しただけ……。
　なのに、あたしはこんなにも興奮してる……寛が欲しくてどうにかなりそう！
「俺の想像どおりだ……少し胸が大きくなった気もするが」
　素肌を撫で、ブラの上から乳房を包み込んだ。
「っあ」
　たったそれだけで、躰が敏感に奮える。
　どうしちゃったんだろう、あたし。
　ゆっくり寛が体重をかけてきた。
　その重みが、何とも言えない幸せな気分にさせる。
　寛が軽くキスをすると、耳に移動し舌で愛撫をし始めた。
　手は素肌のウエストを円を描くように撫で、胸の膨らみの際まで移動し、また脇腹を撫でる。
「っんぁ……」
　やだぁ、あたしこんな声出すなんて。
　だからといって、抑える事など出来ず……寛が齎す甘い感覚を一身に感じ取っていた。
 
　いつの間にかブラもパンティも剥ぎ取られ、寛も何も身につけていない。
　ただ身につけているのは、寛からもらったプラチナダイヤのリングが胸元で光ってるだけだ。
　寛の手がどんどん下がり、そっと秘部を撫でた。
「っく……」
　躰が拒絶反応を示すように震え、下半身に力が入る。
　一度は寛を受入れたのに、躰はまだ慣れていない。
　寛が欲しいのに、あたしの躰はまだ恐れを抱いてるなんて。
「大丈夫、優しくする」
　ゆっくり膝を立たせると、濡れた入り口に指をあてがった。
「お前の躰は十分に準備が出来てる。彰子？　お前は？　お前の心は準備が出来てる？」
　あたしの心？　そんなの当たり前じゃない。
「っあたしは……寛が欲しい」
　その直後、寛の指が入ってきた。
「ひゃぁん！」
　ゆっくり挿入を繰り返し、疑似体験をさせる。
　寛のは、これよりもっと大きくて……そして太い。
　でも、あたしは以前それを受入れた……もう一度受入れる事は出来る筈だ。
 
　狭い部屋に、粘膜の淫らな音がぴちゃぴちゃと響く。
　あたしが、感じてるから……、寛の全てを感じてるから。
　 乳首を口に含み、舌で転がしたり歯で咬んだりする寛の頭を抱きしめた。
「っんん……あたし、もう」
　自然と腰が微妙に揺れ、激しく寛の指を締めつける。
　一気に解き放とうと階段を上り始めた躰は、自制がきかない。
「駄目だ、彰子！」
　膣内（なか）がだんだん激しく収縮するのを感じた寛が、すぐに指を抜いた。
「やだ、やめないで」
「やめるもんか！」
 
　寛は彰子のお尻に手を添えると、 腰を落として一気に挿入した。
「っぁ…」
　思わずのけ反った。
　揺れた乳房に寛の舌が触れる。
　痛みはあった……、まるでまだバージンだと錯覚するほどの激しい痛みが。
　彰子は顔を顰めながらシーツを握り締め、痛みを取り除こうとした。
　寛は、苦痛が快い痛みに変るように、何度も愛撫を繰り返す。
　その優しい気遣いが、彰子の目を潤ませた。
　痛みはだんだん違う方向へ変った。
 
「はぁん……っん、っん、ぁぁん」
　下腹部が快感で捩れそうだ。
　スプリングの音が、ギシギシと鳴り響く。
　その音を聞くだけで、益々感覚が冴え渡り、快感を作り上げる。
　潤んだ目を開けると、寛が汗をびっしょりかきながら苦痛そうに、腰を打ちつける。
　その姿を見て、寛が爆発寸前だというのがわかった。
　手を伸ばして、寛の脇腹を撫でる。
「駄目だ、彰子！」
　そう言いながらも、寛はだんだん律動を早めた。
　あたしの愛液が、寛の挿入をスムーズにさせてる。
　その何とも言えない快感が、お尻からビリビリと急に電気が走った。
「はぁぅ！」
　腰を持ち上げると、さらに奥深く寛が入り、それがまた一層彰子に悦びを齎せた。
　ダメ、ダメ……もう、我慢出来ない！
　激しく心臓が高鳴り、どんどん高みに押し上げられる！
「ダメ、ひろし……あたし、もう、ぁっ……っ、イッちゃう……やぁ」
　限界だった、これ以上耐えれない、そう思った時、寛が今まで以上に奥まで突き上げた。
「きゃぁぁ！」
　ビクンと激しくのけ反り、痙攣しながら彰子は気を失うほど飛翔した……ずっと寛に与えて欲しかった、あの素晴らしい世界へ。
「彰子！」
　寛は彰子の後を追うように、数回激しく腰を打ち突けると苦しそうに叫び、 彰子の上に覆いかぶさった。
 
　彰子は、激しく動く心臓の音を聞きながら、怠い手を伸ばして、心地良いその重みを……愛おしそうに抱きしめた。

2003/07/05
　　

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